生え抜き大学職員日記

日々の中でふと思ったことを書いていきます。

就活で失敗した話②

以前書いた就活の続きです。

業界もテキトーに決めた私は、それでもとりあえず3年生の12月に企業の広報解禁でしたので、12月1日には就活サイトにかじりついてプレエントリーし、説明会を予約していました。

当時はリーマンショックからまだ景気が回復しておらず、就活には厳しい情勢ということは私のような世間知らずな学生でも感じていましたので、「どこか拾ってくれますように」と願い、100社ほどプレエントリーしました。

そう言えば「大卒求人倍率」という、大卒者(院生含む)1人にどのくらいの求人があるのか示す数字がありまして、大学生の就活の厳しさを測る参考にしたりもするのですが、調べてみると当時は1.27倍だったようです。もちろんバブル崩壊後の就職氷河期よりは全然良い状態なのですが、近年の中ではプチ氷河期?のような割と厳しい時期だったようです。直近の2023年卒は1.58倍ですので、随分回復したなあという感じがします。

まあそのときにはそんな数字は出ていませんから、「プレエントリーは最低でも80社はしないとダメだ」みたいな、誰が言ったか根拠もよくわからない言葉に踊らされていた気がします。

私は今でも記念として、就活のときに使っていた手帳を残しているのですが、12月と1月の初旬くらいまでは説明会に行くことが多かったようです。コートを着ていたのを覚えていますね。1月中旬くらいから早い会社で面接が始まり、2月と3月も説明会に行きながら筆記(web 含む)試験や面接も受けて…という感じでした。

なお私のときは選考解禁が4月1日でしたので、それより前に選考がある場合は「セミナー」などの呼称を企業が使っていました。実際には選考ですので、名前を変えてどうにかなる問題でもないと思うんですが、これは今も変わらずの慣習かな?と思います。

4月1日までの選考結果はというと…内定どころか一次面接をほとんど突破できないというダメダメな結果でした。大学名のおかげか、説明会に参加できなかったり、書類選考で落ちることはほぼありませんでした。書類の通過率は99%くらいだった気がします。この時初めて大学のネームバリューに感謝しました(笑)

ところが、書類で落ちない(一次面接までは行ける)ということが、むしろ私にとっては不幸だったのです。なんとなーくの興味と、どこか拾ってくださいという受け身な姿勢でたくさんエントリーして、ほとんど全部が一次面接に進んでしまうので、次々に説明会・筆記試験・面接の案内が届くのを熟さないといけなくなりました。そのため、一社一社の企業研究・志望動機はなんとなーくの浅いままでした。

特に大手企業の選考が解禁となった4月は、1日に2,3社面接を受けるのを数週間続けていましたが、そんな奴が面接に行ってもうまく答えられないのは明らかですよね。面接で私のとんちんかんな回答に、企業の担当者は苦笑いしたり、びっくりしたり、唐突に興味がなくなり白けたり…人間って色々なリアクションができるんだなあと感じたものです。私も、何がダメなのか振り返れば良かったのですが、そこまで余裕がありませんでした。

結局、4月1日から受けた大手企業は軒並み落ちてしまいました。ちなみに、就活を終えるまでに面接は60社以上受けました(回ではなく社なのがポイントです💦)。今考えると、受ける量を減らせばそれで済む話なのですが、そのときは大学受験のときと同じ感覚で、「とにかく他の人よりたくさん活動しないと」という気持ちに支配されていました。

そんな中で、4月頭になんと1社だけ、大手学習塾の総合職(講師ではなく、事務方)で内定が出ました。1月から選考を受け始めて約3ヶ月、初めての内定が非常に嬉しかったのを覚えています。

もうここに決めようと私は考えたのですが、父に反対されてしまいました。内定承諾書という、「内定をもらいましたので、あなたの会社に就職します」といった内容の書類(強制力のない形式的なもの)をその会社に提出する必要があったのですが、保証人欄があり、親に名前を書いてもらわないといけないんですね。それを父にお願いしたところ、教員であった父の癇に障ったらしく「教育を売り物にする会社など認めない」と突っぱねられてしまいました。

そもそも親が教員なのに学習塾を就活で受けた私が迂闊だった…とこのとき初めて気付きました。ううむ、我ながら読みが甘い。なんとか認めてもらえないかと3日ほど交渉しましたが、ダメでした。元々父は気分屋なので、時間を置けばいけるかと思ったのですが、それでもダメなのでこれは本気だ…と悟りました。

親の反対に加えて、もう1つショックだったのが大学のゼミのみんなの就活状況です。4月中旬頃に春学期が始まり、4年生になって初めてのゼミ(メンバーは3年生のときと同じ)があったのですが、みんな超が付く大手・有名企業に内定をもらい、就活を終えたと言うのです。会社名は言えませんが、大手の銀行・損保・シンクタンク・鉄道・旅行会社といったラインナップでした。不景気って言ったの誰?と思いました。

みんなの内定先を聞くたびに段々と血の気が引いていきました。私も内定先はみんなに伝えましたが、どう考えても見劣りする感じは否めませんでした。他人と自分を比較してしまうのは良くないと頭でわかっていても、私が準備不足で棒に振った大手企業から、みんなはちゃんと内定を得ている。同じ状況下できちんと結果を出している人達がこんなにも身近にいることを考えると、なんだか自分が矮小で情けなく感じました。

親に内定先を認めてもらえなかった+ゼミのみんなが大手企業に内定をもらっていたことのダブルパンチが、当時かなり辛かったのを覚えています。

この後については、また今度書いてみたいと思います。